自己破産は恥ずかしいことではありません
自己破産とは
自己破産制度は、多額の借金などで経済的に破綻し、返済不可能な状態となったときに、生活に必要な最低限のものを除くすべての財産を換価して、債権者に弁済することを目的とする、裁判上の手続きのことです。
破産の申し立ては債権者のほうからもできますので、債務者が自ら申し立てるものを「自己破産」と呼んでいるわけです。
財産が処分されるので失うものも大きいかもしれませんが、借金で首が回らなくなった人にとっては、平常の生活を取り戻すための最後の希望の光であるといえます。
専門家にも相談した上で、自己破産が最適な方法だと判明したならば、迷わず手続きに踏み切りましょう!
利用者数は年間10万人超
自己破産制度の利用件数は、年間10万件をはるかに超えます。
個人民事再生など、自己破産以外にも様々な債務整理方法があることを考えると、借金をきれいにして人生を再スタートしようとする人は世の中に本当にたくさんいるということです。
これほど一般的なものになっている自己破産制度ですから、マイナスイメージを抱く必要は全くありません。
あなたも、最初から返せなくなることを前提として借り入れたわけでは決してないはずです。
何らかの不運や計算違いによって、返済のメドが立たなくなってしまうことは当然あり得るのです。
そして、そういう人がもう一度、新しい人生を歩みだせるように、法的に保護される手段があるのですから、これを利用しない手はありません。
暗い、うしろめたい、そんなネガティブなイメージを払拭することができたなら、まずは弁護士など、専門家に相談です!
自己破産の手順
以下の手順を踏めば、誰の力を借りなくても、自己破産を行うことができます。
ただし、自分で申し立てからすべてを行うことがかなり面倒であるのに加えて、本当に自己破産が最良の債務整理方法なのかが状況によって難しい判断となるため、全く誰にも相談せずに手続きを開始することはあまりお勧めできません。
1、申し立て
2、破産審尋
3、破産手続き開始決定
4、免責審尋
5、免責決定
6、官報に公告
7、免責の確定
自己破産Q&A
自己破産のための費用はいくらぐらいかかるの?
裁判所への申し立ての際、まず約2万円の予納金が必要です。これは破産手続開始の決定を官報に掲載するための費用で、裁判所によって額が多少異なります。
さらに、裁判所が債権者と申立人に書類を送付するための郵便切手が約5千円分必要です。1500円の収入印紙も含めて、自己破産のために必要な金額は約3万円ということになります。
これに加えて、弁護士などの専門家に依頼する場合には、実費、着手金、報酬を支払うこととなります。金額はもちろん事務所によって異なりますが、合計で20万円〜40万円ほどの額が一般的ではないでしょうか。
費用のうちの一定額を援助してくれる法律扶助制度などもありますので、検討してみてください。
家族や会社に内緒で自己破産できるの?
自己破産をすることで、裁判所から家族や会社に連絡が行くことはありません。
しかし、まず家族についてですが、不動産などが処分されてしまう場合は内緒にすることは難しいでしょうし、申し立ての際に、同居家族の収入を証明する書類等のコピーの提出を求められることもあります。何より、債権者から家族に連絡が行く可能性が大いにありますので、最後まで内緒にすることはなかなか難しいかもしれません。
同居していなければ内緒にしていられる可能性は高いですが、いずれにしても、人生の一大事なのですから、家族に対しては予め事情を説明しておくのが本筋だといえるでしょう。
そして、会社についてですが、給料・賃金が、法で定められた割合、金額にしたがって差押さえの対象となる場合がありますので、そのときは当然、会社に知られてしまうことになります。
弁護士にお願いするのがベストなの?
費用の面さえクリアできれば、弁護士に依頼することをお勧めします。
自己破産の手続きは、なかなか複雑なものです。弁護士は、書類作成を、確実に免責を受けることができるように全て代わりに作成してくれます。
また、弁護士に依頼すれば、すぐに債権者に連絡してもらえて、その時点で支払いをストップさせることができます。
自分で申し立てる場合も、受理証明書を債権者にFAX等で送ることで支払いを止めることができるのですが、弁護士に依頼したほうが速やかですし、債権者が不当に請求を続けてくるようであれば、きちんと対処してくれます。
また、司法書士に依頼する場合にも、上記と同じようなメリットはありますが、司法書士は書類作成のみを担当し、申し立て自体はあくまで自分ですることになります。裁判所への対応もしなくてはならないので、面倒ですが、費用はもちろん弁護士に依頼する場合より安くなります。
現在では、費用の分割払いも可能な弁護士事務所も多くなっていますので、相談してみてください。
永久にブラックリストに載っちゃうの?
自己破産した場合、ブラックリストに記載されるのはおよそ5〜10年です。それを経過すると自動的に削除されます。
ギャンブルで作った借金でも免責を受けられるの?
借金の原因がギャンブルであることは、いわゆる免責不許可事由となっています。
しかし、ハードルが高いことは間違いありませんが、実際には免責を受けることができるケースも少なからずあります。
例えば、借金の一部だけでも今後も支払うという条件付きで、免責が許可されることがあります。
そして、免責の可否に関しては個別に審議がなされるわけですから、事務的なことだけでなく、きちんと反省していて、更生する可能性が高いといえるかどうかも、大きな判断材料となるでしょう。
少しでも免責許可の可能性を高めるために、やはり専門家の力を借りるのが妥当でしょう。
もちろん、借金を負った理由において裁判所に嘘を言うことはいけませんが、ただ単に「ギャンブルで借金を作った」と言うよりも、もっと適切な伝え方があるかもしれません。
自己破産した後は普通の生活ができるの?
当然、ローンを組んだり、クレジットを利用することなどは、一定の期間できなくなります。
しかし、それ以外は今までと何ら変わらない生活ができるといっていいでしょう。
身の回りの生活必需品を処分されてしまうことはありませんし、家を手放すことになったとしても、退去までの猶予はあります。
選挙権、被選挙権などももちろん、はく奪されることはありません。
弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、弁理士、会社役員、質屋、建設業者など、就けない職業がありますが、これも免責決定によって制限はなくなりますから、実質ほんの3ヵ月ほどのことです。
会社役員の人は、免責が許可されるまでの間だけ他のポストに就くなどして対処すればよいでしょう。
自己破産の事実が戸籍に載ることもありませんし、自己破産を理由にして会社を辞めさせたり、子供の入学を拒否したり、婚約を解消したりということも、法的な保護によりできないことになっています。
自己破産したら保証人に請求が行くの?
連帯保証人がついている場合はもちろん、自己破産すれば債権者は保証人に支払い請求をすることになります。
実は、自己破産に踏み切れない理由として最も多いのが、「保証人に迷惑をかけるわけにはいかない」というものです。
しかし、自己破産しかないという段階では、既に万策尽きて、他の選択肢はなくなっているはずです。
それなのに、保証人に悪いからということで踏ん切りがつかず、決断を先延ばしにしても意味がありません。
どちらにしても、返済不可能ならば保証人に迷惑をかけてしまうのです。
そうであれば、早めに免責を受けて、少しでも余裕の出た分を保証人に対して返していくほうが、正しい選択に違いありません。
躊躇する期間が長ければ長いほど、結果的に、保証人にもより多くの負担をかけてしまいかねないのです。
ですから、自己破産するしかない状況になったなら、すぐに保証人に対して、誠意をもって説明することです。
一時的に信頼を失うようなことになるかもしれませんし、それはとても辛いことでしょう。
しかし、新たな人生をしっかりと歩み、保証人に対しても真心で接し続けることで、徐々に関係を修復すればよいではありませんか。
あまりにも悲しいことですが、人生を長い目で捉えることができず、自己破産をすることなく命を絶ってしまうという人も少なくありません。
そんな愚かなことをしてしまったほうが、どれだけ周りに迷惑をかけるのかを考えなくてはなりません。
